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どうぶつのつぶや記

創意工夫と柔軟な発想を引き出すための条件

成果主義による「仕事の明確化」や専門性の追求は、組織の効率化や、生産性を高めてきた反面、組織力の低下につながる様々な弊害をもたらすようになったといわれている。

一般的に、組織力とは「個人の力」と「個人間のつながり」の掛け算ともいわれているが、今、「成果主義」が行き詰まっているのは、「個人の力」を高める部分では一定の役割を果たしたものの、「個人間のつながり」という部分については、関係をより強固なものにするどころか、同じ職場で困っている人がいても助け合ったり、連携できない、いわゆる「たこつぼ」状態の職場を生む、あるいは生みやすい土壌を結果として作っているからであろう。

一方、「成果主義」と並ぶ、人員削減をはじめとした「組織の合理化」もまた、やり方を誤れば、組織力の低下を招く結果となる。
例えば、オンブズマン三木さんも懸念されているように、長期的な視野に立った採用や退職の人事管理がされなければ、やがて実働人員が足りなくなり組織として機能しなくなる。
その結果生まれるのが、一人一人の余裕のなさである。みんな自分の仕事、目先の仕事で一杯一杯の状態となってしまう。
また、中間管理職においても、プレイングマネージャーの役割が常態化し、本来求められるはずのマネジメント業務に支障をきたすことになる。
若い者の下には後輩が入ってこないため、いつまでたっても同じ仕事ばかりが与えられキャリアアップがはかれない状態となる。
そんな人たちがある日突然、中間管理職を言い渡されても何をしていいのかわからずひとり悩むことになる。
周りの人も、何とか助けてあげたいと思っていても、自分の仕事で精一杯なため、変に関わったら自分の首をしめるだけになるから余計な仕事には手を出さなくなる。困っていても見て見ぬふりというわけだ。
こうして、職場うつの温床となる「不機嫌な職場」が組織内に蔓延することになる。
このような状況で、創意工夫の考え方や、柔軟な発想を求めても期待することはできないだろう。

しかしこれは、個人の努力で解決できる問題ではない。組織が個人を追い込まない体制を作ってあげる必要がある。
安心して仕事に取り組める職場環境の確立が創意工夫と柔軟な発想を引き出す条件となる。
by kkamoike | 2008-06-01 21:53 | マネジメント

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