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どうぶつのつぶや記

三木市の「財政危機宣言」

9月30日、総務省は、自治体財政健全化法施行に伴い、2007年度決算に基づく自治体の財政悪化状況を示す財政四指標(速報値)を初めて公表しました。三木市に限らず、全国には、形式上は黒字でも、実質的には赤字という自治体は珍しくないようです。
今回の総務省の指標の公表は、より現実的な自治体の姿を国民に示すことで、自治体の自助努力を促し、住民にも自分たちの住む自治体の経営に少しでも関心を持ってもらおうとすることも一つの狙いなのかもしれません。

頃を同じくして、三木市では、この法律の基準とは別の観点で分析した結果を、市独自の「財政危機宣言」として発表しました。
内容はともかく、国のこうした動きを考えた場合、市独自で分析を行い、住民に情報発信していこうとする姿勢は評価できるのではないでしょうか。



ところで、今回の三木市の「財政危機宣言」ですが、むしろ「市民病院における経営危機宣言」とするほうが適切ではないでしょうか。そうするほうが、論点がぼやけず、伝えたいことがきちんと伝わるのではないかという印象を持ちます。
それにしても、この改革の中身ですが、高らかに宣言した割には、迫力に欠けるといいますか、具体性に欠ける改革案です。
5年後という猶予?期間も、なぜ5年なのかよくわかりません。
「財政危機宣言」をするぐらいなのに、そんな悠長なことを言っていていいのかとも思います。
結局、三木市が直面している地域医療の課題に対し、何一つ具体的な解決策が提示できないから、問題だけを5年後に先送りしようとしているとしか受けとれません。

当然、今ある病院を大きく改革することになると、反発が出るのは当たり前で、ある意味、政治生命を賭す覚悟で断行しなければならない聖域であることに違いはありません。
まぁ、今回の骨なし改革案の背景には、二期八年の満期にあわせ、とりあえず今度の選挙だけは無難にいこうという作戦があるのかもしれませんが···。


しかし、お金は無限ではないわけですから、どこかで線引きは必要でしょうし、どこかで見切りをつけなければならならないわけです。
先見性を持って決断することも政治家には必要です。
今回の改革案で、5年後に結果が出ればいいでしょうが、5年後に蓋を開けてみて、やっぱりダメでしたというのでは、何のために今「財政危機宣言」をしているのか分からないわけです。
改革の途中段階にでも、経営判断を見定めるための具体的なボーダーラインを設定したり、万一の場合、その後の病院経営の身の振り方などを今ここで、示さないで、本当の改革といえるのか、かなり疑問です。

実際、病院改革については、リーダーが自ら判断し、実行しているところも現にあります。
武雄市をそのまま真似しろとは言いませんが、三木市も、樋渡さんぐらいの覚悟と強いリーダーシップが少しでもあれば、もっと具体的に地域医療における市民病院のあるべき方向性を早期に示すこともできるでしょうし、その実現に向けて、関係者の連携をより強固なものにすることもでき、少なくとも今よりはいい方向に改革に向けたスタートが切れると思うのですが···。
しかし、残念ながら、今のままでは、病院をどうしたいのかが伝っているようで、実は何も伝っていない。そして、危機的状況と言われても、誰も具体的に何をどうすればいいのかがわからないのではないでしょうか。受け身の改革など何も生み出すことは出来ません。

市長自身、市民病院をどうしたいのか、病院経営の身の振り方をどうするのかも決められないわけですから、そのようなことを期待するのは、所詮無理な話なのかもしれません。
あるいは、多額の費用を投じて整備したICUなどの高度医療、こんなのは最初から経費が他の診療科よりも高くつくことは分かっていることですが、今更この看板を下げ、方針を変えるのはみっともないものだから、大胆な改革に着手したくてもできないだけなのかもしれません。
考えようによっては、戦略ミスとも、先見性がないともとれますが、ここまでくるともはやセンスの問題でしょう。


それにしても、市長のレパートリーは「財政問題(危機)」しかないのでしょうか。
たまには私たちに夢を与えてくれるような、現実味のある取組を、もっと情報発信して、展開していってもらいたいものです。
まぁ、「財政危機」を必要以上に煽り、それに不退転の決意で取り組む姿勢を自作自演することでしか、自らの存在価値をアピールできないだけなのかもしれませんが。
by kkamoike | 2008-10-01 21:17 | 三木市政

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