どうぶつのつぶや記

伝えてほしいこと 伝えなければならないこと

「今が正念場、三木市の財政!」
広報みき8月号の特集記事である。
中身に目を通して感じたことは、果たして、この内容で特集といえるのかどうか、編集した方には申し訳ないが、単なる報告事項に過ぎないのではないかということである。
財政の状況はまだまだ大変な状況です。病院の経営も急速に悪化してきています。このままでは大変です。
しかし具体的な市の取組内容、目新しい内容については、ほとんど書かれていない。
結局、何をメッセージとして伝えたいのか、誰に何を伝えたいのか、私には理解できなかったのである。



今、地域医療を取り巻く状況は、全国的にも大きな社会問題となっている。
三木市もその例外ではない。

今年7月にはこんな記事が紹介されていた。
『兵庫県内の公的な病院の六割が、医師不足で診療縮小を余儀なくされていた。
神戸新聞社の調査で明らかになった地域医療の窮状。中でも都市部から離れた地域は、複数の診療科で常勤医確保のめどが立っていない病院も多い。外科医が常勤医不在の内科を担当するなど、必死のやりくりが続いている。
縮小診療科数が十六と地域別で最も多かった北播。三木市民病院(三木市)では常勤医の退職や派遣医師の引き揚げにより、二〇〇五年六月から一年間で神経内科が休診したほか、小児科、婦人科、皮膚科、眼科が入院の受け入れなどができなくなった。』

一方で、こんな記事もある。
『(月間WEDGE 2008年7月号P.16「特集 医療崩壊の危機 医師を増やしても解決しない」より)

全国各地で「医療崩壊」が叫ばれている。中でも病院勤務医の不足は深刻だ。
増員が叫ばれるが、単純に医師の数を増やしても解決にはならない。背景にあるのは、軽症患者が気軽に病気にかかる「コンビニ受診」の蔓延や、初期診療を幅広く行える家庭医や総合医の整備の遅れだ。さらに住民の受益と負担が連動していない地域医療のあり方にも問題がある。こうした根本的な課題にメスを入れなければ、医療崩壊の危機には対処できない。』

そんな中、
『兵庫県立柏原病院の小児科を守る会』の活動については、既にご存知の方も多いだろう。
この会は、子育て中のお母さんたちが、産科·小児科がなくなるかもしれないと知って、自分たちにできることをしていこうと結成されたものである。
実際に、この会の取り組みにより、コンビニ受診が減り、「地域住民の理解がある」ということで、新たに神戸大学の医局からも医師が派遣されたそうだ。
このように地域住民が地域の医療のことを考え、理解してくれるところで、医師は働きたいと考え、医師の確保が可能となるという良い実例が存在するのである。



三木市としてこの危機的な現状にどう取り組んでいくのか。
確かに今このタイミングで今回のような内容を市民に示すことも必要なのかもしれない。
しかし、別に危機的な状況にならなくても、「経営努力」などは日々検討するのが当たり前ではないのか。
そう考えると、わざわざ特集記事に位置づけるほどの中身なのかと感じる。
特集記事として組むのであれば、そのような状況報告のような薄っぺらい内容ではなくて、むしろ、今の地域医療の現状を丁寧にわかりやすく組むほうがよっぽどいいのではないかと思うのである。
その中で、今回のような現状にも触れるならそれもいいだろう。
そして、他の市で取り組まれている先進事例なども織り交ぜながら、今、市民として一番考えなければならないことを投げかける内容にしたほうが、よほど効果的で、意味がある広報特集になるのではないかと思ったりする。
そのことが、ひいては、市民病院も含めた地域医療を守っていこうという動きにもつながっていくのではないのだろうか。



今回の記事では市民の立場でも考えてもらうという視点が抜けているような気がするのである。
またここに書かれてあるような取組で簡単に解決できる問題でないことぐらい市民は知っている。また市民病院単独で解決できる問題ではないということも。
そういった意味で、市民向けに伝えなければならない内容は他にもたくさんあるはずだ。
膨大な情報の中から、今必要な情報を選別するのも広報の重要な役割なのだと思う。
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by kkamoike | 2008-08-20 20:07 | 三木市政