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どうぶつのつぶや記

「先手管理」と「朝令暮改」

rfuruyaさんのブログの中に、『「力強い」ーー「力弱い」戦略論』というタイトルの投稿があり、武雄市の樋渡市長からコメントが寄せられている。

コメントの中には、
『本の題名に「戦略」とありますが、過大な戦略を立てずに、その場、その場で、民意に耳を傾けながら、道を作り、壊し、また、修正しながら、全力で走っているのが今の武雄市政だと言えるのかもしれません。···』と書かれてある。

実は、このコメントの発想、やり方こそが、現在のようなめまぐるしく変化する時代に合った仕事のやり方であると述べられている本がある。
『朝令暮改の発想』(著者:鈴木敏文)である。

この本を書いた鈴木氏は、ご承知のように、株式会社セブン&アイ·ホールディングスの代表取締役会長なのだが、これまで現場を統率してこられた経験に基づく直言は重く、すべてにおいて納得させられる中身となっている。

私自身、「朝令暮改」という言葉は、言ったことをすぐに覆すという悪いイメージにしか捉えていなかったのだが、
著者は本の中で、「仮説」と「検証」を何度も繰り返すことが重要であると前置きした上で、その結果、「朝令暮改」が必要だというならば、「朝令暮改」を非難する声に臆することなくどんどん突き進めばいいと述べている。

また、「先手を打つ(先手管理)」という言葉は、優秀な経営者やリーダーが行う手法の代名詞のように使われているが、現在のように気候や株価、為替などの経済情勢だけを見ても一寸先はわからない状況の中で、「先手を打つ」ことなど、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の博打をするようなものだとバッサリと切リ捨てている。
むしろ変化の時代には、「仮説」と「検証」を何度も繰り返し、状況が変わればやり方や考え方を見直し、新たな手法を模索し、場合によっては計画を一から考え直すといった柔軟性が求められるとも述べている。

優秀なリーダーは、しっかりとした軸を持ち、「仮説」と「検証」を繰り返した上で、必要に応じて「朝令暮改」ができるバランス感覚を持っているということであろう。

現場を振り回し、部下に対する十分なフォローもないまま、周りを疲労させてしまうだけの、単なる「朝令暮改」とは訳が違う。

同じようなことをしているようでも、この言葉の意味が分かった上での行動であるかどうかによって、もたらされる成果は全く異なってくる。


·····

このほか、この本を読んで印象に残った言葉をいくつか

·仕事は毎日が瀬戸際
·挑戦しないことは、仕事をしないことと同じ
·会社に慣れるな
·「もう一人の自分」から見て、過去の(成功)経験を否定する

そして、
·(本を読んだときに)共感する部分に線を入れるのではなく、「反対意見」に線を引く
同感できるということは、···そこから得るものは少なく、発展はない。反対意見こそ···

考えさせられる言葉ばかりです。
by kkamoike | 2008-02-20 17:52 | リーダーの条件

R175が見て、聞いて、読んで感じたことを書き綴ります。

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