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どうぶつのつぶや記

土井善晴さんのこと

料理研究家 土井善晴さんが書かれた
『一汁一菜でよいという提案』という本
この本を書いた経緯、想いなどについて土井さんご自身が語るラジオ番組がありました

こんな言い方は失礼にあたるかもしれませんが、普段、テレビに出演されている印象は非常にざっくばらんで、少しトボけた印象があったのですが(ごめんなさい、あえて演出をされているのでしょうが、、、)、ラジオでのお話は、料理人、料理研究家として、豊富な知識と経験を踏まえ、専門的な内容も盛り込まれるも、素人にもわかりやすく、聞く人の想像力を存分に掻き立てる内容のお話で、説得力もあり、あっという間に引き込まれてしまいました

お話の中では、
土井さんの料理人、料理研究家になるまでの幼少期から修行、料理学校で生徒に教えられた経験などのエピソードもあわせて紹介されました。
そのエピソードの中で私が一番印象に残った部分をまずはご紹介します

一人前の料理人を目指して自分の腕を磨いたらよたかった修行時代から、
料理学校に勤めた時代では、教える側に立つ者が、料理の基本を生徒や後輩、弟子に受け継ぐためには、修行時代よりもさらに知識や技術を磨く、さらには人間性を磨くことが、自分のためだけでなく、教える生徒や後輩のために必要だと強く認識させられたというお話です

土井さんが育った時代に当たり前だった「技は見て盗め」とか、「背中を見て学べ」という技術伝承のやり方も、今は自分も相手も納得させることが求められる時代になったこと
だから、自分が納得できないことは、納得するまでとことん聞く
たとえ相手に嫌われたとしても
その分、昔と比べると、ある意味、割りが合わない部分もあるし、しんどい思いをしていると感じる時代になったけれども、そのことと向き合わないとこれからの時代は、技術の伝承はやっていけないと思うと述べられていました

土井さんの優しくあったかい関西弁の効果もあり、それでいて芯のあるしっかりとした考え、さらには、時代に求められる厳しさをも自分の使命として受け入れて、次代につないで行こうとされているまっすぐな姿勢に胸が熱くなりました


そして、お話は、「一汁一菜」の本の話へと続いていきます

料理、家事もひとつの仕事
家庭で料理を作る多くの人は、家族の期待に応えなければという、ある種の脅迫観念に駆られ、困っているのが現実

この「一汁一菜」を実践することで、
料理を作る人も、いただく人も、
誰もが幸せになるというお話でした


ある種の脅迫観念から解放される、
料理を作るというプレッシャーが解かれる、
肩の荷がおりる、
余裕が生まれる、
などにより、
料理を責任感や強制からではなく、
自分がほんとうにやりたい料理を作ってみようという気持ちが湧き上がるようになる
と言います

その上で、土井さんは、こんな風におっしゃっています

『料理ってやっぱり「作りたい」とか「食べさせてあげたい」とか、「自分が食べたい」とか、そういうことですから。
そんなふうにして、わたしは、みんなの料理を本来の意味に戻したいんです。』

そして

『一汁一菜というのは、毎日食べ続けても絶対飽きないんです。
それはそれで、体にしみるくらいおいしいんです。
だから、ごはんがこんなにおいしい。
味噌汁がこんなにおいしい。
毎日そんなふうに食事をたのしめる。
さらに汁の具を変えれば、際限なく違うものを作り続けられる。
それが毎日続けば、家族も変に期待しないですし、さらにそのときサンマがあれば、子供たちもみんな「今日はサンマがついてるぞ!」って自分で発見するわけじゃないですか。
いま、時間をかけてごちそうを作っても、誰も気づかないわけでしょう?
でも一汁一菜が基本になると、作り手も、食べる側の喜ぶ顔が見えるんです。』


あらためて基本を見つめ直すことで、
新しい発見が生まれ、
そこから派生して新たな創造へと発展していく
料理を極めた人だからこそ辿りつく境地なのかもしれませんね

そして、やっぱり、心や生活に余裕がないと、なかなかみんなを楽しませる、巻き込めるような仕掛けのある創造やアイデアには発展しないということでしょうか


今、社会的な課題となっている「働き方改革」や「顧客サービスのあり方」、もっと大きな視点で言えば「企業理念」だとか、また、部下への動機付けや職場環境をよくしていくことにおいても、何かヒントになるような、根本の部分で繋がっているような、そんな奥深いお話ではないかと感じました

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by kkamoike | 2017-07-20 18:27 | 心に留めておきたい言葉 | Comments(0)

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